以前、自分の好きな番組であるNHKの「ガッテン!」で「葉酸」の特集をやっていました。
葉酸?何となく聞いたことがあるかなぁ程度であまり馴染みがない名前でした。どうやらビタミンの一種で、ビタミンMとかビタミンb9などの別名があり、重要な栄養素らしいのです。
マイナーなビタミンであっても、認知症や脳卒中などの病気のリスクを下げる効果があるとのことです。
番組の内容をまとめてみました。
目次
アルツハイマー病の発症率が半分に
葉酸は、ほうれん草・レバー・納豆・枝豆などに多く含まれていて、日常普通に食べている食品から摂取できます。認知症、脳卒中、動脈硬化、心筋梗塞などの病気の予防効果があるそうです。
アメリカの研究機関より、葉酸を多く摂る人は、あまり摂らない人に比べて、アルツハイマー病の発症率が半分になったり、心筋梗塞の死亡リスクが40%減ったという研究結果が発表されています。
妊婦さんにとっても重要な栄養素
このように重要な栄養素である葉酸ですが、特に妊婦さんにとっては重要で、胎内の赤ちゃんの成長や、貧血の予防のためにと、お医者さんから勧められているそうです。
妊娠中もそうなんですが、妊娠の計画段階から葉酸を摂取するよう勧められているそうです。
というのも、葉酸はDNA合成に不可欠な存在だからなんです。つまり、赤ちゃんの身体の組織を作るためにも葉酸の摂取が重要になってくるからなんです。
しかし実は、葉酸は妊婦さんに限らずわれわれ生きものすべてにとっても欠かせない重要な役割があるということも分ってきました。
ホモシステインを減らす効果
葉酸のDNA合成という役割の他に、アミノ酸の一種であるホモシステインを減らすのではという研究が行われてきました。
人がタンパク質を摂取すると、分解する際に肝臓内でホモシステインが発生します。
このホモシステインは、脳・骨・血管で活性酸素を発生させ、脳の萎縮、骨粗しょう症、動脈硬化などの原因になると考えられています。
しかし、葉酸を摂取することで、ホモシステイン発生を抑制してこれらの病気予防に効果があるのではという研究が行われてきました。
葉酸摂取プロジェクト
埼玉県坂戸市では、自治体ぐるみで葉酸摂取プロジェクトを進めているそうです。そして実際、血液中ホモシステインが減るなどの成果も出ています。
しかしこれらの結果についても、野菜の他の栄養素なども含めた総合的な効果の可能性もあるとのことです。このように葉酸の効果については、まだ研究中の段階と言えるようです。
葉酸の推奨摂取量は?
では、葉酸はどの程度摂取すればよいのでしょうか。
成人男女の推奨摂取量は1日240μg(マイクログラム)とのことですが、野菜にすればブロッコリー1/2個、ほうれん草1/2束が大体その量のようです。
それに対し実際の摂取量はというと、平均277μgとのこと。意外にも推奨量を満たしていますね。しかし、世界的な推奨量は400μgだそうで、日本の場合は世界標準から比べるとちょっと低いですね。
そして坂戸市ではこの400μgを推奨しています。
葉酸摂取のポイント(ブロッコリー=蒸す ほうれん草=炒める)
葉酸は水溶性なので、せっかく含まれている葉酸もゆでることでお湯の中に溶けだすことで半減してしまいます。
そこで、お薦めの調理法は、「蒸す」・「炒める」です。
これにより、含まれる葉酸の90%を摂取することができます。
大きさや形状からいって、ブロッコリー=蒸す、ほうれん草=炒める、がお勧めです。
その他の食品
ブロッコリーやほうれん草の葉物野菜以外にも、葉酸が比較的豊富に含まれている食品があります。
豆苗・レバー・納豆・のり・お茶などです。
(葉酸は光で分解されるので、お茶は入れたてが良!)
妊婦の葉酸摂取について
記事内でも書きましたが、妊婦さんにとって葉酸は通常より多く(400~480μg)摂取するのが望ましいようですね。
しかしこの量を食品からすべて摂るというのが難しい場合があります。特に、妊娠初期には悪阻(つわり)などで食欲がなく食べられないことから不足しがちです。
こんな場合はサプリメントからの摂るというのが有効だと思われます。サプリメントもあらゆる種類のものが販売されています。中には粗悪なものもあるかもしれません。
食事などが十分とれない場合のサプリメントからの摂取について、かかりつけの病院や主治医の先生と相談されるのがいいと思います。
注意点
サプリメントは、摂取し過ぎの懸念があるので摂取目安量を守る必要があります。
基本、食べ物からの摂取は安全なので、食べ過ぎの問題はないようです。
しかし、ほうれん草に含まれる「シュウ酸」は尿路結石のリスクとなるので、摂り過ぎに注意です。