開発が待たれるコロナワクチン|世界中で開発競争|日本でのワクチン開発は?

収束どころか、第二波の入り口に差し掛かっている新型コロナウイルスですが、このままでは経済活動が本当に止まってしまいそうです。感染を防ぐにはマスク・手洗い・ソーシャルディスタンスなども重要ですが、何と言っても決定打はワクチンだと思います。

そして、新型コロナウイルスのワクチン開発は着々と進行中です。先日(7月20日)も臨床試験結果が発表されましたが、良好な試験結果だったようです。

発表されたのは3つのワクチンの試験結果ではいずれも重篤な副作用がなく、新型コロナの免疫応答があったとのことで期待が持てそうです。

発表されたワクチン開発

① 英アストラゼネカ社
一つ目が、英国の製薬会社アストラゼネカがオックスフォード大学と共同開発しているワクチンです。2回の投薬試験では、被験者に深刻な副作用がなく免疫反応を誘発したとのことです。

②中国カンシノ・バイオロジクス社
二つ目が、中国の製薬会社カンシノ・バイオロジクスと、人民解放軍の軍事科学院が共同開発中のワクチンについてです。これはボランティア508人に対する1回の投与試験ですが、大半で免疫反応が誘導されました。被験者の77%に発熱や注射部位の痛みといった事象があったものの、重篤なものはなかったとのことです。

③独ビオンテック社と米ファイザー社
三つ目が、独ビオンテック社と米ファイザー社のメッセンジャーRNA(mRNA)を使ったワクチン共同開発です。このワクチンは、細胞にコロナウイルスの外表面を模倣したタンパク質を作るよう指示を出します。人の体はこのウイルス様タンパク質を侵入者として認識するようになります。そうすると本物のウイルスに対しても免疫反応を起こすというものです。これについて、60人を対象とした臨床試験が行われ、2回投与を受けた被験者で中和抗体の誘導が確認されたとのことです。

一歩先を行くアストラゼネカ

この中で、アストラゼネカとオックスフォード大学のワクチンが一歩先に進んでいるとみられています。すでにブラジルと南アフリカで後期臨床試験が始まっており、このあと米国でも試験を開始する予定とのことです。臨床第1相試験では、1回目の投与の1カ月後に91%の人で中和抗体の誘導が確認されました。2回目では100%の人で中和抗体の誘導が確認されています。抗体の産生レベルは回復者と同等とのことです。

通常数年かかるところを数か月で

希望の光が見えてきたところですが、このあと、安全性と有効性を証明するには大規模の試験を行わなければなりません。特に高齢者や糖尿病患者など重症化のリスクが高い人についての安全性確保が課題です。

通常、開発から実際の製品化にいたるのはほんの一握りで、しかも臨床試験は通常数年間に及びます。そのような中で、各社は前代未聞のスピードで臨床試験を進めており、今年中の完成を目指してします。数年から数十年かかるものを、莫大なカネとパワーをつぎ込んで数カ月でやっつけてしまおうってわけですから尋常ではありません。

日本のDNAワクチン開発

日本でのワクチン開発も行われています。
日本国内の製薬ベンチャーが、臨床治験を始める発表をしました。そして、使用するのは世界でも実用化例のない「DNAワクチン」というものです。
「DNAワクチン」とは、遺伝子が不安定なRNAウイルスを取り扱う「RNAワクチン」に対し、ウイルス本体ではなくウイルスの遺伝子情報のみを投与する方法とのことです。これは、ウイルスの遺伝子情報を入れた「プラスミドDNA」というベクター(運び屋)を体内に入れると、ウイルスが細胞に侵入する際に用いるタンパク質が大量に発生することから、それに対して抗体ができるという仕組みです。
DNAワクチンは、大量生産が容易であること、製造コストが安価であること、病原性がなく安全である、という利点あります。

DNAワクチンはリリーフ役

以上のようにメリットの多いDNAワクチンですが、実はDNAワクチンは、パンデミックを一時的にしのぐためのリリーフ的役割のもので、恒常的に使うようなものではないとのことです。
とりあえずDNAワクチンで感染爆発を抑えつつ、本確定なワクチンの開発を目指すといったところでしょうか。

ワクチン開発に関する懸念

ワクチン開発に関して懸念もあります。

新型コロナウイルスはインフルエンザと同じように『RNA』を遺伝子に持つウイルスで、このRNAウイルスの場合だと効果的なワクチンを作るのが難しいと言われているのです。と言うのも、『DNA』遺伝子が安定的な二重らせん構造を持つのに対し、『RNA』遺伝子の場合は一重らせんであり、その構造が不安定であることから変異しやすいという特徴があるからです。

せっかくワクチンを開発したとしても、ウイルスが変異してしまえばワクチンが効かなくなってしまう可能性があるというわけですね。
実際のところ、インフルエンザワクチンはその年の流行を予想してウイルス株は変更されます。しかし予想が外れたりするとワクチンを打っていたにもかかわらず発症してしまう場合がありますよね。

まあ、ワクチン開発側もその辺は重々承知の上で開発を進めているわけですから、外野がああだこうだ言ってもしょうがないですが。

いずれにせよ、実際にわれわれ一般人にまで行き渡るまでにはまだ時間がかかると思われます。やはり従来通りの対策である、マスク・手洗い・三密を避ける行動、更には自分の免疫力の向上をはかりつつ、ワクチン完成を待ちましょう。

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